“かばんの神様”がいるって本当?|柳の宮神社と夏の柳まつり

“かばんの神様”がいるって本当?|柳の宮神社と夏の柳まつり

「鞄の街・豊岡には、“かばんの神様”がいるらしい」

豊岡市の中心部にある「小田井縣神社(おだいあがたじんじゃ)」という神社。その境内に、“鞄の神様”として地元の人々から親しまれている「柳の宮神社(やなぎのみやじんじゃ)」があります。

柳を祀る、鞄の神様

小田井縣神社は、千年以上の歴史を持つ由緒ある神社。
鳥居をくぐり、境内に入ると、空気がふっと変わります。
静けさの中に、どこかしら凛とした雰囲気が漂っています。

豊岡の鞄産業のルーツは、柳の枝を編んで作る「豊岡杞柳細工(きりゅうざいく)」にあります。湿地の多いこの土地では、良質なコリヤナギが育ち、それを素材に人々は生活道具を作ってきました。
やがて柳行李(やなぎごうり)が生まれ、それが現在の“豊岡鞄”の原点になったと言われています。

つまり柳の宮神社は、「素材への感謝」「ものづくりの神聖さ」を今に伝える、小さなパワースポットのような存在。

境内には、かばん型の絵馬掛けがあり、「良いカバンができますように」「商売繁盛」など、この場所を訪れた人たちの願いがずらりと並んでいます。


8月、鞄の街に夏が来る

この神社では、毎年8月1日に「柳の宮神社 例大祭」が行われます。
それが、豊岡の夏を代表するお祭り「柳まつり」のはじまりです。

地元の人にとっては「豊岡の夏=柳まつり」というくらい、定番のイベント。

稚児行列、かばん供養、豊岡おどり、そして夜には華やかな花火大会。
露店が並び、浴衣姿の親子や学生たちでにぎわいます。
そして例年、地元のかばんメーカーや職人たちも、思い思いに柳の宮に手を合わせに来るのです。

ウノフクでも、「新作がうまくいきますように」「良い出会いがありますように」と、ものづくりの節目にここを訪れるスタッフがいます。
それはただのゲン担ぎかもしれないし、信仰とは違うのかもしれない。

でもこの神社に立っていると、不思議と

「素材を大切にする」
「真面目に手を動かす」
「期待に応える商品・サービスを提供する」

そんな気持ちを、もう一度ちゃんと思い出すことができるのです。



日々ものを作って、誰かに届けるというのは、結局のところ願いごとの連続なんだな、と。

誰かの手に届いて、長く使ってもらえること。
誰かの日常にそっと寄り添えること。
そして、ほんの少しだけ、誰かの人生を明るくできること。

それを願う心が、鞄の街には今も静かに息づいています。

豊岡に来たときは、ぜひ一度「鞄の神様」に会いに行ってみてください☺

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